れせいか作文練習帳

ずぼらな大学生の備忘録です。

ヒューズ

どうどうまがまがです。閲覧していただきありがとうございます。

 

今回は「想像力」について考えようと思います。いや、「感性」、「繊細さ」と言い換えても良いかもしれません。

 

まず、なぜ想像力について書こうと思ったのか、という点についてから説明したいと思います。

 

それは私が皆無と言うほど「想像力」がなくなったからです。元々そこまで想像力豊かではなかったと思いますが、小説を読んでいて何となく登場人物の顔や、小説の舞台となる場所をイメージすることが出来ました。しかし、今やそんなことも出来なくなってしまいました。最近は小説も読んでいないので、「イメージ力がなくなったから小説を読まなくなったのか」、それとも「小説読まなくなったからイメージ力がなくなったのか」はよく分かりません。でもきっと相互作用的なのでしょう。

 

そこで、想像力というものについて考えてみようと思ったわけです。

 

現在では赤毛のアンでなくても想像力の大切さを多くの人が強調します。特に「唯一無二なクリエイティブ」な人物像が求められる2000年代以降は、その傾向に拍車がかかっているように思います。また、クリエイティブという面だけではなく、「想像力のない人だ…」というのが相手を思いやる気持ちがないことを非難する言葉として使われるように、良い人になるためにも想像力は必要であると考えられています。

 

確かに、ここまで見ると想像力は大変大事なものです。

 

しかし本当にそうでしょうか?私自身の経験を振り返ってみると、むしろ想像力というのは邪魔なものですらあったのではないか?とも思います。

 

私は小さなころ、とても怖がりでした。未だにホラー・スプラッタ映画は見ることが出来ません。あまりにも怖がりで、自分の妄想で頭痛等、具合が悪くなることも何度もありました。しかし、今はめったにこういうことはなくなりました。

 

これは何故でしょう?それは「ヒューズを切る」ことを覚えたからです。私は「不思議ネット」という2chのまとめサイトが好きで、中高生の時によく見ていました(今もために見ます)。このサイトは、そこまで怖いサイトではないのですが、たまにポッカキットやトカナなどのもう少し過激な他サイトに飛ばされてしまうことがあります。

 

そういうとき、私は「ヒューズ」を切っていました。この「ヒューズを切る」とは感情を無にするということです。つまり今見たグロ・ホラー画像に対して何も考えない。思い出さない。そしてエロ画像を見る(因みに私は妄想してオナニーすることはほぼありません)。そうすると別の刺激で中和されるため、ダメージがゼロになる。そういうことを繰り返していました。

 

こういうことを繰り返していると、精神的なダメージはほぼゼロになります(無敵!!)。家の中でも暗闇を恐れたり、一日中頭が痛くなったりすることはありません。しかし、その代わりのように虚無に襲われます。苦みを感じたくないあまり、味のないものを食べるようになったような気分です。

 

これはすごく感覚的な話なので伝わりづらいと思うのですが、「人は何かの刺激を受けた時よりも、記憶としてそれを処理しているときの方が、頭が働いているのではないか」と私は思います。つまり、何か出来事があったというだけでは不十分で、それを何等か意味づけたりして記憶として処理したり反芻して思い出したりし、自分のフィルターを通して消化しないと大切な経験にならないのではないか、と思うのです。

 

だから、この作業をしなくなると、頭に何も入っていない、というか経験として残っていない気がします。

 

だから私の場合で言えば、「ヒューズを切る」ようになってからの生活というのは、あまり記憶に残っていません。時間だけが流れて行っている感じです。

 

しかし、逆に言えば、このようにしなければやってこれなかったのでは?とも思います。昔、どこかのビール会社のcmで「次の日のために飲んで忘れられるのもスキルでしょ」というものがありましたが、このように人間はあまりにも真剣に考えすぎるとやってられない時があるのでしょう。

 

認めたくないのですが、私も確かにオナニーを始めたあたりからあまり深刻に悩まなくなりました。年頃ということもあると思いますが、それ以前の日記を見ているとなかなか鬼気迫るものがあります。現在は満足した豚になった感じです。

 

真剣に考えるあまり、別の意味で「ヒューズを切る」ことはなんとしても避けたいことですが、なんとか目の前の現実を真剣に受け止め、消化し、記憶として定着させ、反芻し、向かい合い続けたい、せめてその努力をしようとする姿勢だけは崩さないようにしたいと思います。

 

ここまで、長々書きましたが、簡単に言うと、「あんまり想像力豊かすぎる(感性豊かすぎる、真剣に捉えすぎる)と人生しんどい。だけど、やっぱり想像力(及び感性、真剣に深く考えられる力)は捨てたくない」というだけです。

 

閲覧していただきありがとうございました。